日本の古銭
2026.01.23
2025.12.25

自宅の整理や実家の片付けをしていると、現在の5円玉とは文字の形が少し違う5円玉を見つけることがあります。その中でも、昭和24年から昭和33年に発行された「五円」の文字が楷書体で、筆で書いたように見える5円玉は、コレクターの間で「フデ五」「筆五」などと呼ばれています。
「これは珍しい5円玉なのか」「価値があるのではないか」と期待する一方で、情報が断片的で判断に迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。実際、フデ五の5円玉はすべてが高く売れるわけではなく、年号や保存状態などによって評価が異なります。
この記事では、フデ五の5円玉とは何かという基本から、価値が出る条件・出にくいケース、売却を考える際の注意点までを、専門的な視点でわかりやすく解説します。「一度専門家に見せるべきか」を判断する材料として、ぜひ最後までご覧ください。
フデ五の5円玉とは、昭和24年から昭和33年に発行された5円黄銅貨のうち、「五円」の文字が楷書体で表されているタイプを指す通称です。現在流通している5円玉の文字とは書体が異なり、毛筆で書いたような印象を受けることから「フデ五」「筆五」などと呼ばれています。
自宅整理や実家の片付け中に偶然見つかり、「普通の5円玉と何か違う」と感じて調べ始める方も少なくありません。ただし、フデ五だからといって必ず高い価値が付くわけではありません。まずは発行年や状態を確認することが重要です。
フデ五と呼ばれる理由は、額面を示す「五円」の文字が楷書体で、毛筆で書いたように見えることにあります。
現在一般的に見かける5円玉では、文字の書体が異なっています。そのため、古い5円玉を現在のものと並べると、文字の印象が大きく違うことに気付くでしょう。
この特徴からコレクターの間で「筆五」「フデ五」という通称が定着しています。
フデ五を見分ける際に注目したいのが、「五円」と刻まれた文字です。
昭和24年から昭和33年までの5円黄銅貨では「五円」が楷書体で表されています。一方、その後の5円黄銅貨では書体が変更されているため、文字の形を比較すると違いを確認できます。
なお、摩耗が進んでいる硬貨では文字の輪郭が不鮮明になっていることがあります。判断するときは「五」だけを見るのではなく、年号や硬貨全体のデザインもあわせて確認することが大切です。
フデ五は、製造時の偶発的なミスによって生まれたエラーコインではありません。当時正式に発行された5円黄銅貨のデザインです。
そのため、「フデ五=希少な製造エラー」と考えるのは適切ではありません。
穴ずれや打刻ずれなどの製造上のエラーとは区別して考える必要があります。フデ五の評価では、種類そのものに加えて、年号や保存状態などが重要になります。
フデ五の5円玉が注目される理由の一つは、現在流通している5円玉と文字の印象が異なり、比較的見分けやすいことです。
また、インターネットや動画などで「昔の5円玉」「価値のある5円玉」として紹介される機会が増え、自宅にある古い硬貨を確認する方も増えています。
5円黄銅貨は昭和23年に穴のないタイプが発行され、その後、昭和24年から中央に穴の開いた現在につながるデザインの5円黄銅貨が発行されました。
そのうち昭和24年から昭和33年までのものでは、「五円」の文字に楷書体が使われています。
昭和34年以降は書体が変更されているため、古い5円玉を整理するときには年号と文字の形が種類を確認する重要な手掛かりになります。
近年、動画サイトやブログなどで「珍しい5円玉」「価値が付く可能性のある硬貨」としてフデ五が紹介されることがあります。
ただし、紹介されている高い価格がすべてのフデ五に当てはまるわけではありません。未使用品など状態の良い個体や、収集上評価される条件を備えたものと、長期間流通した一般的な個体では評価が異なります。
掲載価格だけを見て、自分の5円玉にも同じ価値があると判断しないことが大切です。
特に注意したいのが、「フデ五ならすべて高額になる」という思い込みです。
フデ五は一定期間に通常の貨幣として発行されたものであり、存在するだけで非常に珍しいというものではありません。
一方で、年号や保存状態などによって収集上の評価が変わる可能性があります。そのため、フデ五かどうかを確認した後は、年号と状態まで確認する必要があります。
フデ五の5円玉が評価されるかどうかは、「フデ五であること」だけでは決まりません。実際の査定では、年号・保存状態・摩耗の程度など、複数の要素を総合的に見て判断されます。
フデ五は昭和24年から昭和33年まで発行されているため、まず確認したいのが年号です。
同じフデ五でも、年ごとの発行枚数や市場での流通状況、コレクター需要などによって評価が異なることがあります。
そのため、「フデ五だった」という情報だけで価値を決めるのではなく、表裏を確認して年号まで記録しておくことが大切です。
硬貨の収集価値を左右する重要な要素が保存状態です。摩耗が少なく、文字や稲穂などの意匠が鮮明に残っているものほど、状態評価では有利になる可能性があります。
一方、長期間流通して文字や模様が摩耗しているもの、深いキズや著しい変色があるものなどは、同じ年号でも評価が異なる場合があります。
なお、汚れが気になっても、価値を確認する前に研磨剤や薬品などで磨くのは避けましょう。表面の状態が変化し、収集品としての評価に影響する可能性があります。
フデ五では特徴的な楷書体の「五円」だけでなく、稲穂や水、歯車を表現した意匠などがどの程度鮮明に残っているかも確認したいポイントです。
摩耗が少なく細部まで確認できる個体は、長期間流通して摩耗した個体と比べて、コレクション向けとして評価されやすくなる可能性があります。
フデ五であることに加えて、状態が非常に良い、特定の年号であるなど、複数の条件が重なると評価が変わる場合があります。
また、通常のフデ五とは別に、明確な製造上の特徴が確認される場合は評価方法そのものが異なる可能性があります。
自己判断が難しい場合は、表裏・年号・穴の周辺・縁などが確認できる写真を撮り、古銭に詳しい専門家へ相談すると判断しやすくなります。
フデ五という名称だけが注目されがちですが、実際には大きな付加価値が付きにくい個体もあります。過度な期待を避けるためにも、評価されにくい特徴を知っておくことが大切です。
フデ五は昭和24年から昭和33年まで通常の5円硬貨として発行されていました。
そのため、フデ五というだけで極端に希少とは限りません。年号や状態などによっては、コレクター市場で大きなプレミアが付かない場合があります。
長期間使用された5円玉は、全体的に摩耗が進み、文字や模様が不鮮明になっている場合があります。
特に稲穂などの細かな部分が摩耗していたり、表面に大きなキズがあったりする場合は、保存状態の良い個体と比較して評価が低くなる可能性があります。
ただし、見た目だけで価値がないと判断して処分するのではなく、年号などを確認してから判断しましょう。
古銭・硬貨のコレクター市場では、種類だけでなく保存状態も重要視されます。
同じフデ五でも、摩耗したものと未使用に近いものでは評価が異なることがあります。そのため、「フデ五を持っている」という一点だけから市場価値を判断するのは難しいといえます。
フデ五の5円玉を見つけたときに最も気になるのが、「実際にいくらで売れるのか」という点でしょう。
ただし、古銭の価格は年号、状態、市場需要などによって変動するため、「フデ五なら一律○円」と決めることはできません。
長期間流通した一般的なフデ五では、大きなプレミアが付かない場合があります。
ネット上で高値の販売例を見つけても、それが実際の成約価格とは限らず、さらに保存状態や年号が異なれば単純比較はできません。
価格を見る際は、「出品価格」と「実際に取引された価格」を区別することが重要です。
同じ年号のフデ五でも、保存状態によって評価が変わる可能性があります。
文字や意匠が鮮明で摩耗が少なく、コレクションに適した状態と判断されれば、流通によって摩耗した個体とは異なる評価になることがあります。
年号、保存状態、硬貨全体の特徴など、複数の条件が揃った場合には、一般的な流通品とは異なる評価を受ける可能性があります。
ただし、具体的な価値は実物の状態やその時点の市場状況によって変わります。写真だけでは確認できない部分もあるため、高額になると断定せず、必要に応じて専門家へ確認することが大切です。
フデ五の5円玉を見つけたとき、多くの方が悩むのが「売却するべきか、それとも手元に残すべきか」という判断です。
これは一概に正解があるものではなく、硬貨の状態や本人の目的によって考え方が変わります。
保存状態が良いフデ五や、実家整理などで複数枚まとめて見つかった場合は、処分する前に種類や評価を確認しておくと安心です。
特に「整理したい」「価値があるものだけ残したい」という場合は、売却を決める前に専門家へ相談することで判断材料を増やせます。
一方で、金額的な価値よりも「昔の5円玉として残しておきたい」「家族が保管していたものなので記念にしたい」という場合は、無理に売却する必要はありません。
古い硬貨は、収集品として楽しむこともできます。価値を確認したうえで保管するという選択肢もあります。
売るか持つか迷った場合は、まず「どの種類の5円玉なのか」「何年のものなのか」「どの程度の状態なのか」を確認しましょう。
そのうえで、売却を前提としない相談や査定を利用し、現在どのように評価される可能性があるのかを確認してから判断する方法があります。
フデ五の5円玉を売却する場合は、ネット上の価格だけを基準にせず、硬貨の状態や取引方法にも注意する必要があります。
フリマアプリやネットオークションでは、自分で価格を設定できる反面、種類や状態を自分で説明する必要があります。
国民生活センターでは、ネットオークションは原則として個人間取引であり、トラブルが発生した場合には、まず当事者間で解決を図ることが求められると案内しています。フデ五ではないものをフデ五として出品したり、状態について購入者との認識に差が生じたりすると、取引後のトラブルにつながる可能性があるため注意が必要です。
出品する場合は、年号、表裏、穴の周辺、硬貨の状態が分かる写真を掲載し、確認できる事実を正確に記載しておきましょう。
参考:国民生活センター「【ネットオークション】ブランドバッグを落札したらニセモノだった。キャンセルしたい。」
古銭を専門的に扱っていない店舗では、年号や保存状態による細かな違いまで評価されない場合があります。
フデ五のような旧タイプの硬貨について価値を確認したい場合は、古銭・近代貨幣を扱った経験があるかどうかも相談先を選ぶ際の確認ポイントになります。
古銭や硬貨を扱う専門業者であれば、年号・保存状態・硬貨の特徴などを確認したうえで評価してもらえます。
売却するか決めていない段階では、まず「何の5円玉なのか」「価値が付く可能性があるのか」を確認するだけでも判断材料になります。
写真で相談する場合は、表裏全体、年号、「五円」の文字、中央の穴、縁・側面などを自然光で撮影すると特徴を伝えやすくなります。
フデ五の5円玉は、昭和24年から昭和33年に発行された、楷書体の「五円」が特徴的な5円黄銅貨です。製造ミスによるエラーコインではなく、当時正式に発行されたデザインの一つです。
そのため、「フデ五だから必ず高額になる」と判断するのではなく、年号や保存状態などを含めて確認することが重要です。
自宅や実家から見つかった場合は、磨いたり洗ったりせず、そのままの状態で保管してください。「売るべきか迷っている」「価値があるかだけ知りたい」という段階なら、まず種類と状態を確認してから判断すると後悔を防ぎやすくなります。
フデ五の5円玉をきっかけに、手元の古い硬貨がどのようなものなのかを正しく確認することが、納得できる整理や売却につながります。
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骨董・古美術に関する取材・執筆を長く手がけるライター。古道具店での実務経験や、美術商の仕入れ現場で得た知見をもとに、作品の背景や時代性を丁寧に読み解く記事を多数執筆。扱うテーマは掛け軸・陶磁器・工芸など幅広く、初心者にもわかりやすく価値のポイントを伝える記事づくりを心がけている。
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