骨董品
2025.12.10

象牙を売りたいと思ったとき、真っ先に気になるのが「象牙の承認制度って何?」「手続きが複雑で大変そう…」という不安ではないでしょうか。実際、象牙の売買には法律上のルールがあり、登録票(グリーンのカード)があるかどうかで手続きが大きく変わります。知らずに売却すると違法取引となる可能性もあるため、事前に正しい知識を押さえることが大切です。本記事では、象牙の買取に必要な承認制度の基礎から、必要書類、登録票がない場合の対処法、手続きの流れまでをわかりやすく解説します。実家整理で象牙が見つかった方や、手続きをどう進めればよいか不安な方は、ぜひ参考にしてください。
目次
象牙の買取には、「承認制度」や「登録制度」といった専門用語が必ず登場します。これは、象牙の売買が国際的に規制されているため、日本国内でも管理が厳格化されているからです。特に、象牙を買取店に持ち込む場合、所有者が適切な手続きを行い、正しく登録された象牙であることを証明する必要があります。これが、いわゆる「承認制度」の背景にあります。
象牙を相続で受け取った方や、古い骨董品整理で見つけた方の中には、「これは売れるの?」「登録票がないけれど大丈夫?」と戸惑うケースも少なくありません。しかし、基本的な手順さえ理解しておけば、適切に手続きを進めることができます。ここでは、象牙の売買に関わる承認制度の概要や、登録票の意味、どんな象牙が対象になるのかなど、初心者でもわかるように整理して解説します。
象牙はワシントン条約(CITES)によって国際取引が厳しく規制されており、日本国内でも「種の保存法」により厳重に管理されています。象牙の密輸や不正取引を防ぐ目的で、象牙を売買する際には「正規に流通したものかどうか」を証明する必要があります。
過去には、違法な象牙の流通が社会問題になったことから、現在では国内にある象牙を把握し管理する仕組みが整備されました。その一環が、「登録制度」および「承認制度」です。特に全形象牙(カットされていない一本牙)は管理が厳しく、売買には必ず登録票が必要です。
この制度によって、正規の象牙だけが市場で取引できるようになり、取引の透明性が確保されます。つまり、法律を守って売却するためにも、承認制度の理解は欠かせないのです。
象牙について調べると、「承認制度」と「登録制度」という似た言葉が出てきて混乱する方が多くいます。簡単に整理すると次のとおりです。
つまり、個人の売却に必要なのは「登録票」の有無の確認で、承認制度そのものは業者側の手続きに関係します。この違いを理解しておくと、買取相談の際の不安が解消し、手続きもスムーズに進みます。
象牙の登録制度の対象となるのは、主に**全形象牙(切断されていない一本牙)**です。たとえば、相続で大きな象牙を受け継いだ場合、その象牙が丸ごと残っているなら「登録票」が必要になります。
一方で、加工品(印鑑・置物・アクセサリーなど)は大きさによって扱いが変わります。
小さな印鑑や根付、彫刻品は登録の必要がないケースが多く、買取店でそのまま査定できます。ただし、重量が大きい置物や、牙の形状が残っている加工品の場合は登録対象となることもあります。
「これは登録が必要なの?」と判断に困る場合は、専門の買取店に写真を送って確認するのが安全です。誤って未登録の象牙を売却すると法律違反になる恐れがあるため、事前確認は必ず行いましょう。
象牙の売却で最も重要な書類が、「登録票」です。緑色のカード型で、所有している象牙が正規に登録されたものであることを証明する公的な書類です。買取店では、登録票の有無によって買取可否が決まる場合も多く、査定額にも影響します。
登録票には、象牙のサイズ・重量・登録番号などが記載されており、売却時にはこのカードをセットで提出する必要があります。相続品の整理で象牙が見つかった場合、まずはこの登録票がないかを探すことが重要です。
以下の項目で、登録票について詳しく見ていきましょう。
登録票は、その象牙が合法的に国内に存在していると証明するための公的書類です。登録票がない全形象牙は原則として売却できず、売買は法律で禁止されています。
登録票には以下の情報が記載されています。
買取店は、この登録票と象牙の実物を照合し、内容が一致していることを確認した上で、承認制度の手続きを踏みながら買取を行います。したがって、登録票の有無は象牙を売却するための「最重要ポイント」といえます。
象牙の査定では、まず「どんな種類の象牙なのか」を確認することが必要です。状態によって登録の有無や買取額が大きく変わります。
サイズ・重量
大きな象牙や重さのある置物は価値が高く、登録対象になるケースもあります。
印鑑(象牙印材)
小さな印鑑は登録不要のため、そのまま売却可能です。ブランド品や希少な印材は高価買取につながります。
置物・彫刻品
象牙の質、彫刻の精巧さ、作者の有無などで価値が大きく変わります。
牙の形が残る加工品
象牙の形状が一部残っている場合は、登録が必要になることがあります。
このように、象牙の種類によって必要な手続きが異なるため、まずは手元の象牙の形状・加工度合いを確認しておくと査定がスムーズです。
自宅に緑色の登録票が見つかった場合は、以下の3つを必ず確認しましょう。
1. 登録番号が読める状態か
擦れて読めない場合、再発行が必要になるケースがあります。
2. 記載内容と象牙の実物が一致しているか
長さ・太さ・重量など、実物と登録票の情報が合致しているかをチェックします。
3. 所有者名が現在と異なっていないか
相続の場合、所有者変更の手続きが必要な場合があります。
これらを確認しておくと、買取相談の際に話が早く進み、査定もスムーズになります。万が一登録票が見つからない場合でも、再登録申請が可能なケースもあるため、早めに専門店へ相談することがおすすめです。
象牙を売却する際には、買取店側が「承認制度」に基づいて手続きを行います。個人の売却者が複雑な申請をする必要はありませんが、スムーズに査定を受けるためには必要書類や象牙の状態を事前確認しておくことが大切です。この章では、売却前に知っておきたい承認制度の流れをわかりやすく解説します。
承認制度とは、買取店(特定国際種事業者)が象牙を適切に取り扱うために国へ申請する仕組みを指します。
一般の売却者が直接申請する必要はありませんが、次のような流れで進みます。
1. 象牙の登録票と実物を照合する
買取店が、登録票の情報(サイズ・重量・登録番号)と象牙の実物が一致するかを確認します。
2. 必要書類を揃えて承認申請を行う
登録票、写真、象牙情報をもとに、買取店が環境省へ申請します。
3. 承認後に正式な買取が成立する
承認が下りることで、適法に象牙を買い取ることが可能になります。
そのため、個人の売却者は登録票の保管と象牙の状態確認を行っておけば問題ありません。
万が一、登録票が見つからない・内容が一致しない場合でも、状況によっては手続きが可能です。
判断が難しい場合は、専門店に写真を送って相談するのがおすすめです。
象牙の売却は一般的な骨董品よりも法律が厳しく、必要書類や確認事項が多いため、トラブルを避けるための事前準備が大切です。
特に60代以上の方からの相談では、「何を準備すればいいのかわからない」という声が多いため、ここでは注意点を整理して解説します。
最も多いトラブルが「登録票なしでの売却相談」です。
全形象牙の場合、登録票がなければ買取不可となります。
買い取りを強引に進めようとする業者は違法リスクがあるため、注意が必要です。
象牙が相続品の場合、次の点も確認しておくと安全です。
買取店が名義変更の方法を案内してくれることもあり、早めの相談が有効です。
象牙は繊細な素材で、漂白剤・研磨剤・紙やすりなどを使うと価値が大幅に下がります。
専門家の手を借りて査定を受ける方が安全です。
象牙は状態や証明書の有無によって買取価格が大きく異なります。
高く売りたい場合は、次の3つを押さえておくことが重要です。
登録票はもちろん、象牙を入れていた箱・購入証明書・鑑定書など付属品があると査定額がアップする可能性があります。
象牙は経年で黄ばみますが、これは自然な現象であり、価値が下がる理由にはなりません。
無理に漂白すると逆に評価が下がるため、自然な状態のまま査定に出すのが正解です。
象牙の査定は法律・素材知識・市場相場の理解が必要なため、
象牙に詳しい専門店に査定してもらうことが最も高価買取につながります。
こうした業者を選ぶことが、価値を最大限に引き出すポイントです。
象牙の売却や承認制度については、初めての方が不安になるポイントがいくつかあります。ここでは、実際によくある質問を整理しました。
全形象牙の場合、登録票がないと合法的に売却することはできません。
ただし、以前に登録された証明があれば再発行が可能です。また、加工品(印鑑・小物など)であれば登録票がなくても取引可能なケースがあります。まずは買取店に写真を送って確認することをおすすめします。
登録票は有効期限が設定されていません。登録番号・象牙の寸法・重量・所有者情報が確認できれば、古い登録票でも問題なく使用できます。ただし、所有者名が現在と異なる場合は名義変更が必要です。
個人で直接行う手続きはほとんどありません。事前にできることは次の2つです。
買取店が承認制度に基づく申請を代行してくれるため、安心して任せることができます。
買取価格は以下の条件で決まります。
特に登録票が揃っていることは、買取価格にも大きく影響します。
象牙の買取は、法律や制度が絡むため、初めての方には不安がつきものです。安心して売却するためには、次のポイントを押さえておきましょう。
これらを守ることで、法律違反の心配なく、スムーズに買取を進めることができます。特に相続や実家整理で見つかった象牙の場合、慎重に確認することが重要です。
象牙の承認制度や登録票の扱いは、個人での判断が難しいことがあります。
**「登録票が見つからない」「手続きがよくわからない」**という場合は、専門の買取店に相談するのが最も安全です。
専門店では、
など、安心して任せられる体制が整っています。まずは写真や情報を送って無料査定を受け、安心して次のステップに進めましょう。
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