2025.07.23

着物・織物
2025.07.23
長年大切にしてきた着物、どうせなら少しでも高く売りたい——そんな思いを持つ方は多いはずです。しかし「どこで売れば安心?」「高く売るには何をしたらいい?」と悩む方も少なくありません。
特に、着物の価値は一般の方には分かりづらく、適当な業者に出すと想像以上に安く買い叩かれることもあります。この記事では、着物を高価買取してもらうための準備・業者選び・交渉術など、初心者でも実践しやすい“売却のコツ”を、丁寧な言葉で解説していきます。
目次
着物の査定額は、ブランドや産地よりも“保存状態”に大きく左右されます。たとえ名のある作家物でも、カビや虫食いがあれば価格は大幅にダウンしてしまいます。
反対に、無名でも状態が良ければ驚くような値段がつくことも。だからこそ、「売る前のひと手間」が非常に重要になります。
カビや変色の原因になる湿気を避け、除湿剤や防虫剤を活用しましょう。 特に梅雨時期に長期間保管した着物は、事前に風通しの良い場所で陰干ししておくと安心です。 虫食いが見つかった場合は、修復可能か確認しておくと査定額に差が出ます。
丁寧にたたまれた着物は、査定時に「大切に保管されていた」という好印象を与えます。 不要なしわを防ぐために、正しいたたみ方で美しく整えておきましょう。 簡易的なアイロンがけも、汚れのない箇所であれば有効です。
卒業・入学・成人式シーズン前は需要が高まり、買取価格が上がる傾向にあります。 年末や夏前の「断捨離シーズン」も買取強化中の業者が多く、ねらい目です。 事前に時期を見計らうだけでも、数千円〜数万円の差が出ることがあります。
すべての着物が高く売れるわけではありません。特に価値があると判断される着物には、共通したポイントがあります。
ここでは、高価買取につながりやすい着物の特徴をご紹介します。
「久保田一竹」「羽田登喜男」などの作家物や、「千總」「竺仙」などの老舗ブランドは高評価の対象です。 着物の内側にある落款(らっかん)や、証紙が証明になるので、忘れずに確認しましょう。 有名作家のものは、多少状態が悪くても値がつく場合もあります。
大島紬・結城紬などは証紙があることで「本物」であることが証明され、査定額にプラスになります。 証紙がなくても査定は可能ですが、価格に差が出ることを覚えておきましょう。 もし別保管している場合は、査定時に一緒に提出するのがおすすめです。
振袖・訪問着・留袖などは、冠婚葬祭や成人式での需要が常にあります。 季節を問わず人気のある柄(松竹梅・桜など)や、落ち着いた色合いも高く評価されます。 着用回数が少ない着物は、使用感が少なく価値が下がりにくいです。
査定に出す前の“ひと手間”が、価格を大きく左右する場合があります。 ここでは、誰でも実践できる簡単な準備をご紹介します。
着物の襟元・袖口・裾などは特に汚れが目立ちやすい場所です。 軽い汚れならやさしく拭き取る、ホコリは柔らかいブラシで落とすなど、無理のない範囲で整えておきましょう。 高額なクリーニングは不要ですが、第一印象は大切です。
証紙や箱、帯・帯締め・草履などがセットで残っている場合、一緒に査定に出しましょう。 「付属品完備」は、査定額アップの大きな要因となることがあります。 特に新品同様で保存されている場合は、アピールポイントになります。
たたみジワやヨレがない状態に整えておくと、保存状態の良さを印象づけることができます。 可能であれば、たとう紙に包んで提出するとより丁寧な印象になります。 査定員の第一印象をよくすることが、査定額にも反映される可能性があります。
着物の価値を正しく見極めるには、信頼できる買取業者に依頼することが欠かせません。
ここでは業者を選ぶ際に注目すべきポイントを解説します。
信頼できる業者の多くは、査定料・出張料・キャンセル料が無料です。 明朗会計をうたっている業者なら、安心して依頼しやすくなります。 契約前に費用が発生しないかを必ずチェックしましょう。
自宅での対応が望ましいなら出張買取が便利ですし、忙しい方には宅配買取もおすすめです。 複数の買取方法を提供している業者の方が、柔軟な対応をしてくれます。 ご自身のライフスタイルに合った方法が選べる業者を選びましょう。
古物商許可番号の掲載は最低限の信頼の証です。 加えて「年間○万件の買取実績」などの具体的な数字があると安心できます。 Googleマップや口コミサイトでの評判も参考にしましょう。
査定に出した際、業者の言い値にそのまま従ってしまうと、本来の価値を見落とされてしまうことがあります。
ここでは査定時に損をしないための行動をまとめました。
一社だけに任せるのではなく、最低でも2〜3社で比較することで相場を把握できます。 複数査定を取っておくことで、交渉時にも自信を持って話ができます。 「他社は○円でした」と伝えると価格が上がるケースもあります。
証紙・作家名・購入時期・定価など、分かる範囲で事前に整理しておきましょう。 希少な産地や限定品の場合、それをきちんと伝えることで査定額が上がることがあります。 口頭だけでなく、メモにまとめて渡すのも効果的です。
「今決めてくれればプラス査定」といったセールストークには注意が必要です。 その場で即決せず、家族と相談した上で決断しましょう。 一度持ち帰ることで冷静な判断ができます。
着物の買取には、いくつかの方法があります。それぞれに特徴がありますので、メリット・デメリットを比較して選びましょう。
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
店頭買取 | その場で現金化できる | 持ち運びや移動が負担になる |
宅配買取 | 全国対応で自宅完結 | 返送時の手続きが手間になることも |
出張買取 | 査定員が来てくれるため楽 | 対面対応が不安な方には不向き |
どの方法が合うかは、ご自身の生活スタイルや不安の度合いに応じて選ぶのがベストです。
A. 軽度のシミや黄ばみがあっても、素材や作家物であれば値がつく場合があります。 状態が不安な場合でも、まずは無料査定を利用してみるのが良いでしょう。
A. 多くの業者が無料で査定だけでも対応しています。断っても料金は発生しません。 気になる業者があれば、気軽に相談してみましょう。
A. フリマアプリは自分で写真撮影や価格交渉をする必要があり、時間もかかります。 一方で、業者なら手間がかからずスピーディーな現金化が可能です。 特に操作に不安がある方は業者を利用した方が安心です。
着物を高く売るためには、保存状態を整え、証紙や付属品を確認し、信頼できる業者を選ぶことが欠かせません。
「すぐに売らずに準備を整える」「査定の比較を怠らない」——この2つだけでも、数千円から数万円の差が生まれることもあります。
焦らず、納得のいく形で着物を手放せるよう、今回ご紹介したポイントをぜひ参考にしてください。