2025.07.22

着物の買取相場がひと目でわかる|種類別・状態別に価格を解説

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着物・織物

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「母が遺してくれた着物、捨てるには忍びないけれど、本当に価値があるのか分からない——」
そんな風に思っている方は少なくありません。着物の買取は、種類や状態によって価格が大きく変動するため、事前に相場を知っておくことが納得の取引につながります。この記事では、代表的な着物の種類ごとの相場はもちろん、保存状態や証紙の有無による価格差、さらには高く売るためのコツまでを徹底解説します。
「着物の買取相場」を検索したあなたが、安心して整理を進められるように、分かりやすく丁寧にご案内します。

目次

着物の買取相場を知る前に押さえておきたい基礎知識

そもそも着物の買取市場とは?

着物の買取市場は、近年「実家の整理」や「遺品の処分」などをきっかけに注目されています。特に正絹(しょうけん)の着物や、有名作家の一点物などは、今でもコレクターや和装愛好家からの需要が高く、専門業者による買取が行われています。

ただし、着物は元の購入価格が高くても、再販市場での価値はピンキリです。市場のニーズや状態によって、1着数百円になることもあれば、数万円の価値がつくことも。この記事では、その目安となる「相場感」を丁寧にお伝えしていきます。

買取価格に大きく影響する3つの要素

着物の査定額は、以下の3つの要素によって大きく変動します。

  1. 種類(振袖・訪問着・留袖など)
  2. 保存状態(汚れ・色焼け・虫食い・カビなど)
  3. 証紙や作家名の有無(真贋を裏付ける証明書)

この3つを事前に把握しておくことで、買取業者との交渉もスムーズに。特に証紙や箱が残っている場合は、忘れずに一緒に出すようにしましょう。

種類別|代表的な着物の買取相場一覧

振袖の相場:若い世代に人気で高値も期待

振袖は、成人式や結婚式などで使われるフォーマルな第一礼装。未婚女性向けの着物ですが、再販需要が比較的高いため、良品であれば1〜3万円の査定額が期待できます。

  • 未使用品・証紙付き:2万〜5万円
  • 使用済・ややシミあり:1万〜2万円
  • 古いデザイン・汚れ多数:〜5,000円

古典柄や人気ブランドの振袖(例:JOTARO SAITO、吉澤の友禅など)は、さらに高値がつくケースもあります。

訪問着の相場:幅広く需要がある定番着物

訪問着は、既婚・未婚問わず使える準礼装で、最も取引量が多い着物のひとつです。汎用性が高く、着付け教室やレンタル需要もあるため、状態が良ければ5,000〜15,000円前後が相場。

  • 作家物や加賀友禅:2万円超もあり
  • シミなしの正絹品:〜10,000円
  • 色あせや汚れあり:〜3,000円

淡い色合いや古典柄のものが人気です。

留袖の相場:黒留袖・色留袖で評価は異なる

留袖は結婚式の親族などが着用するフォーマル着物。黒留袖は既婚女性、色留袖は未婚女性も使用可能で、需要はやや限定的です。

  • 黒留袖(五つ紋付き・美品):5,000〜12,000円
  • 色留袖(作家物):〜15,000円
  • 汚れや古いデザイン:〜3,000円

家紋入りのものは、買い手が限られるため査定が低くなる傾向にあります。

小紋・紬の相場:普段着系は評価にバラつきも

カジュアル着物である小紋や紬(つむぎ)は、産地やブランドにより相場が大きく変わります

  • 本場大島紬(証紙付き):10,000〜30,000円
  • 結城紬(高品質品):20,000円以上もあり
  • 一般的な小紋:〜5,000円
  • ノーブランドの紬:〜1,000円

本場大島紬や結城紬など、伝統工芸指定を受けているものは高額になりやすいです。

反物・帯・襦袢などその他アイテムの相場

着物以外にも、帯や反物、長襦袢(ながじゅばん)なども買取対象になります。

  • 袋帯:2,000〜10,000円
  • 名古屋帯:〜5,000円
  • 未裁断の反物(絹):〜15,000円
  • 長襦袢(正絹):〜3,000円

帯は金糸銀糸の有無や柄の豪華さで査定額が上下します。

状態別|着物の保存状態が価格に与える影響

未使用・新品同様の着物は高評価

タンスにしまったままで、未着用・新品タグ付きの着物は買取市場での評価が高いです。しつけ糸が付いたままのものや、購入時の箱・証紙・たとう紙がそろっている場合は、査定額もアップします。

  • 振袖未使用・証紙あり:3万円以上
  • 訪問着新品同様:〜15,000円

湿気・日焼け・虫食いがないかを事前に確認すると良いでしょう。

多少のシミや汚れがある着物の価格目安

軽微な汚れや、衿・袖口のうっすらしたくすみ程度であれば、買取対象になります。特に柄が美しい・有名産地の着物であれば、業者によるクリーニング後に再販が可能です。

  • 汚れあり訪問着:〜5,000円
  • 軽度のカビ:〜1,000円

なお、「落ちにくいシミ」や「色あせ」「におい」は減額の要因になります。

カビや破れがある着物でも値がつくことはある?

重度のカビ・変色・穴あきなどがあると通常は値段がつきにくくなりますが、例外もあります。たとえば「アンティーク着物」としてコレクション目的で価値が見いだされる場合です。

  • 大島紬の年代物(傷あり):3,000〜8,000円
  • 戦前のアンティーク訪問着:〜10,000円も

一見ボロボロでも、作家物や図柄が希少な場合は、業者に確認する価値があります。

証紙の有無・作家名・産地で相場はどう変わる?

証紙がある着物とない着物の価格差

証紙とは、正規の産地や作家の作品であることを証明する**いわば“着物の鑑定書”**のようなものです。これがあるだけで、1.5〜2倍の査定額になることも

  • 大島紬(証紙あり):20,000円
  • 同じ着物(証紙なし):〜10,000円

証紙は反物の端についていることが多く、捨ててしまいがちなので注意。

有名作家や老舗産地の着物は別格の高値も

以下のような条件がそろえば、高額査定につながりやすいです。

  • 有名作家(久保田一竹、羽田登喜男など)
  • 伝統工芸品(加賀友禅、結城紬)
  • 希少柄(辻が花、絞り、金彩加工)

証紙だけでなく、着物の箱や購入時の明細があれば、プラス査定になることもあります。

高く売るコツと注意すべきポイント

査定前にやっておきたい準備とは?

  • たとう紙や箱に入れて湿気を防ぐ
  • 匂いが気になる場合は風通しをしておく
  • 小物類(帯・草履・バッグ)があれば一緒に出す

着物の情報(購入時期、産地、未使用か否かなど)を簡単にまとめておくと、査定がスムーズです。

悪徳業者を避けるために見ておくべきサイン

  • 査定額を出さずに「まとめて◯◯円」で買い取ろうとする
  • 一度断るとしつこく交渉してくる
  • 「今すぐ売れば高い」と煽ってくる

口コミや運営年数、古物商許可の有無を必ず確認しましょう。

信頼できる買取業者の選び方とは?

  • 着物専門の査定士が在籍している
  • 査定方法が明示されている(宅配・出張・持込など)
  • キャンセル無料、査定料無料である

大手でも対応に差があるため、複数の業者に見積もりを依頼するのが安心です

着物買取の体験談|実際に売った人の声

母の遺品整理で出てきた着物を査定してもらった結果

埼玉県在住の60代女性が、母の遺品として残された20枚以上の着物を業者に依頼。結果として、

  • 5枚が買取対象(訪問着3点・帯2点)
  • 証紙ありの加賀友禅:18,000円
  • 残りは引取処分(無料)

想定より高く売れたことに満足し、「思い出を無駄にせず片付けられて良かった」と語っています。

思ったより高値がついた!証紙なしでも価値あり?

古くて証紙のない着物でも、状態が良ければ評価されるケースもあります。特に、

  • 色味が落ち着いている
  • モダンな柄で再販しやすい

といった着物は、1枚あたり5,000〜8,000円の値がついた例もあります。

まとめ:着物の買取相場を知れば、納得の取引ができる

相場を把握してからの一歩がトラブルを防ぐ

着物は「思い出の品」であると同時に、「資産」としての価値もあります。だからこそ、事前に相場を知っておくことが、納得の売却につながります。業者任せにせず、ある程度の基準を知ることが失敗を防ぐコツです。

まずは無料査定で自宅の着物の価値を知ってみよう

「価値があるか分からない…」という方でも、無料査定を活用すればリスクなく価値を知ることができます。自宅から気軽に査定依頼ができるサービスも増えている今、まずは一歩踏み出してみてはいかがでしょうか?



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