
着物・織物
2025.08.18
「母が遺してくれた着物、捨てるには忍びないけれど、本当に価値があるのか分からない——」
そんな風に思っている方は少なくありません。着物の買取は、種類や状態によって価格が大きく変動するため、事前に相場を知っておくことが納得の取引につながります。この記事では、代表的な着物の種類ごとの相場はもちろん、保存状態や証紙の有無による価格差、さらには高く売るためのコツまでを徹底解説します。
「着物の買取相場」を検索したあなたが、安心して整理を進められるように、分かりやすく丁寧にご案内します。
目次
着物の買取市場は、近年「実家の整理」や「遺品の処分」などをきっかけに注目されています。特に正絹(しょうけん)の着物や、有名作家の一点物などは、今でもコレクターや和装愛好家からの需要が高く、専門業者による買取が行われています。
ただし、着物は元の購入価格が高くても、再販市場での価値はピンキリです。市場のニーズや状態によって、1着数百円になることもあれば、数万円の価値がつくことも。この記事では、その目安となる「相場感」を丁寧にお伝えしていきます。
着物の査定額は、以下の3つの要素によって大きく変動します。
この3つを事前に把握しておくことで、買取業者との交渉もスムーズに。特に証紙や箱が残っている場合は、忘れずに一緒に出すようにしましょう。
振袖は、成人式や結婚式などで使われるフォーマルな第一礼装。未婚女性向けの着物ですが、再販需要が比較的高いため、良品であれば1〜3万円の査定額が期待できます。
古典柄や人気ブランドの振袖(例:JOTARO SAITO、吉澤の友禅など)は、さらに高値がつくケースもあります。
訪問着は、既婚・未婚問わず使える準礼装で、最も取引量が多い着物のひとつです。汎用性が高く、着付け教室やレンタル需要もあるため、状態が良ければ5,000〜15,000円前後が相場。
淡い色合いや古典柄のものが人気です。
留袖は結婚式の親族などが着用するフォーマル着物。黒留袖は既婚女性、色留袖は未婚女性も使用可能で、需要はやや限定的です。
家紋入りのものは、買い手が限られるため査定が低くなる傾向にあります。
カジュアル着物である小紋や紬(つむぎ)は、産地やブランドにより相場が大きく変わります。
本場大島紬や結城紬など、伝統工芸指定を受けているものは高額になりやすいです。
着物以外にも、帯や反物、長襦袢(ながじゅばん)なども買取対象になります。
帯は金糸銀糸の有無や柄の豪華さで査定額が上下します。
タンスにしまったままで、未着用・新品タグ付きの着物は買取市場での評価が高いです。しつけ糸が付いたままのものや、購入時の箱・証紙・たとう紙がそろっている場合は、査定額もアップします。
湿気・日焼け・虫食いがないかを事前に確認すると良いでしょう。
軽微な汚れや、衿・袖口のうっすらしたくすみ程度であれば、買取対象になります。特に柄が美しい・有名産地の着物であれば、業者によるクリーニング後に再販が可能です。
なお、「落ちにくいシミ」や「色あせ」「におい」は減額の要因になります。
重度のカビ・変色・穴あきなどがあると通常は値段がつきにくくなりますが、例外もあります。たとえば「アンティーク着物」としてコレクション目的で価値が見いだされる場合です。
一見ボロボロでも、作家物や図柄が希少な場合は、業者に確認する価値があります。
証紙とは、正規の産地や作家の作品であることを証明する**いわば“着物の鑑定書”**のようなものです。これがあるだけで、1.5〜2倍の査定額になることも。
証紙は反物の端についていることが多く、捨ててしまいがちなので注意。
以下のような条件がそろえば、高額査定につながりやすいです。
証紙だけでなく、着物の箱や購入時の明細があれば、プラス査定になることもあります。
着物の情報(購入時期、産地、未使用か否かなど)を簡単にまとめておくと、査定がスムーズです。
口コミや運営年数、古物商許可の有無を必ず確認しましょう。
大手でも対応に差があるため、複数の業者に見積もりを依頼するのが安心です。
埼玉県在住の60代女性が、母の遺品として残された20枚以上の着物を業者に依頼。結果として、
想定より高く売れたことに満足し、「思い出を無駄にせず片付けられて良かった」と語っています。
古くて証紙のない着物でも、状態が良ければ評価されるケースもあります。特に、
といった着物は、1枚あたり5,000〜8,000円の値がついた例もあります。
着物は「思い出の品」であると同時に、「資産」としての価値もあります。だからこそ、事前に相場を知っておくことが、納得の売却につながります。業者任せにせず、ある程度の基準を知ることが失敗を防ぐコツです。
「価値があるか分からない…」という方でも、無料査定を活用すればリスクなく価値を知ることができます。自宅から気軽に査定依頼ができるサービスも増えている今、まずは一歩踏み出してみてはいかがでしょうか?