骨董品
2026.01.21

実家や蔵の整理をしている中で、見慣れない古い銭貨や銭紐が出てきた――そんな経験はありませんか。「永楽通宝よりも古そう」「鎌倉時代か南北朝時代のものでは?」と感じても、鎌倉〜南北朝貨幣の価値は見た目だけでは判断が難しく、ネット情報も断片的で迷ってしまう方が多いのが実情です。
この時代、日本ではまだ本格的な国産貨幣が確立しておらず、中国から渡来した銭が流通の中心を担っていました。そのため、価値の有無は「時代」だけでなく、種類・状態・流通背景を正しく理解することが重要です。
本記事では、鎌倉〜南北朝期の貨幣を体系的に整理し、当時の流通事情から現代での評価基準、価値の見極め方までを分かりやすく解説します。捨てて後悔しないためにも、まずは正しい知識を身につけましょう。
目次
鎌倉〜南北朝期の貨幣を理解するには、まずこの時代の社会構造を押さえておく必要があります。鎌倉時代は1185年頃から1333年まで続き、武士による政権が本格的に日本を統治した初めての時代です。その後、建武の新政を経て、朝廷が南朝と北朝に分かれて対立した南北朝時代(1336年〜1392年)へと移行します。
この時代の特徴は、全国的に戦乱や政権交代が相次ぐ一方で、経済活動が徐々に活発化していった点にあります。農業を基盤とした年貢制度は依然として社会の中心でしたが、都市的な機能を持つ市や港、寺社の門前町が発展し、人や物の移動が増えていきました。その結果、物々交換だけでは取引が成立しにくくなり、貨幣の必要性が高まっていったのです。
鎌倉〜南北朝期は、貨幣経済が「突然完成した時代」ではなく、あくまで過渡期にあたります。そのため、この時代の貨幣は種類や統一性に欠ける反面、後世の日本経済の基礎を形づくった重要な存在として評価されています。
鎌倉〜南北朝期の貨幣について調べると、多くの人が疑問に思うのが「この時代に日本独自の貨幣はあったのか」という点です。結論から言えば、当時の日本では国家主導で安定的に鋳造された国産貨幣はほとんど存在していませんでした。
奈良時代から平安時代にかけては和同開珎などの国産銭が発行されていましたが、平安後期には信用を失い、流通がほぼ停止します。その空白を埋める形で使われるようになったのが、中国から輸入された銭、いわゆる「渡来銭」です。鎌倉〜南北朝期に流通した貨幣の大半は、この渡来銭が占めていました。
一部には日本国内で鋳造された私鋳銭(しちゅうせん)も存在しましたが、品質や信用にばらつきがあり、広く安定して流通したとは言えません。そのため、この時代の貨幣価値を考える際には「日本製かどうか」よりも、「どの中国王朝の銭か」「どの程度の状態で残っているか」が重要な判断基準になります。
鎌倉〜南北朝期以前の日本社会は、米を中心とした年貢制度によって成り立っていました。しかし、武士政権の成立とともに、社会の仕組みは徐々に変化していきます。御家人への恩賞、土地の売買、傭兵的な武士の雇用など、米だけでは対応しきれない取引が増えていったのです。
また、農業生産力の向上によって余剰物資が生まれ、それを売買する場として各地に市が立つようになりました。市では迅速で公平な取引が求められるため、共通の価値基準となる貨幣が重宝されます。この流れの中で、渡来銭を中心とした貨幣が自然発生的に流通するようになりました。
重要なのは、鎌倉〜南北朝期の貨幣流通は「国家が整備した制度」ではなく、「必要に迫られて広がった実用的な仕組み」だった点です。そのため、貨幣の種類や価値は地域差が大きく、現代の感覚で一律に評価することはできません。こうした背景を理解することが、貨幣の価値を正しく見極める第一歩となります。
鎌倉〜南北朝期において、貨幣流通を支えたのは国家ではなく、武士・寺社・市といった社会の中核を担う存在でした。武士は戦のための兵糧調達や報酬の支払いに貨幣を用い、現物支給だけに頼らない経済活動を行うようになります。
一方で、寺社は広大な荘園を管理し、参詣者や門前町を通じて多くの物資と人を集めていました。寄進や取引の場では貨幣が使われることが多く、寺社は貨幣流通の拠点として重要な役割を果たします。市や港町では、商人たちが遠隔地との取引を行うため、価値が共通化された貨幣が不可欠でした。
このように、鎌倉〜南北朝期の貨幣は、武士・寺社・商人という複数の主体によって支えられていました。その結果、現在まで残る貨幣には使用感の強いものも多く、保存状態によって価値が大きく変わります。単なる「古さ」だけでなく、「どのような場で使われていたのか」を想像することが、評価の精度を高めるポイントです。
鎌倉〜南北朝期に日本国内で流通していた貨幣の中心は、中国から輸入された「宋銭(そうせん)」です。当時の日本では、安定した国産貨幣の鋳造体制が整っていなかったため、信頼性の高い外国銭に頼らざるを得ませんでした。特に宋の時代に鋳造された銭は、銅の質が良く、量も豊富であったことから、日本でも広く受け入れられました。
日宋貿易やその後の私貿易を通じて大量の宋銭が流入し、武士の取引、寺社の寄進、市での商取引など、さまざまな場面で使用されます。宋銭は単体で使われることもありましたが、多くの場合は紐で束ねられ、一定の単位として流通しました。この「実用性の高さ」が、鎌倉〜南北朝期に宋銭が主流となった最大の理由です。
現在残っている鎌倉〜南北朝期の貨幣の多くも、この宋銭に該当します。そのため、価値を判断する際には「宋銭であること自体」よりも、「どの種類の宋銭か」「状態がどうか」が重要なポイントになります。
宋銭には数多くの種類があり、鎌倉〜南北朝期に日本へ流入したものも一様ではありません。代表的なものとしては、「元豊通宝」「宣和通宝」「政和通宝」などが挙げられます。いずれも円形で中央に四角い穴が開いた形状をしており、文字は漢字で鋳出されています。
これらの宋銭は、同じ名称であっても鋳造年代や工房の違いによって文字の太さやバランスが異なります。保存状態が良く、文字がはっきり読み取れるものは評価が高くなる傾向がありますが、一般的な流通品については、希少性が低いため高額評価にはなりにくいのが実情です。
一方で、特定の時期にしか鋳造されなかった種類や、摩耗が少なく状態の良いものは、コレクター需要があり、鎌倉〜南北朝貨幣の価値を判断するうえで注目される対象となります。
鎌倉〜南北朝期の貨幣を整理する際には、「渡来銭」と「私鋳銭」の違いを理解しておくことが重要です。渡来銭とは、中国など海外で正式に鋳造され、日本に持ち込まれた貨幣を指します。宋銭はその代表例で、一定の品質と信用を持って流通していました。
一方、私鋳銭は日本国内で民間が独自に鋳造した貨幣です。流通する貨幣が不足する中で生まれたものですが、銅の質や重量にばらつきがあり、必ずしも信頼性が高かったとは言えません。そのため、使用できる地域や場面が限られ、評価も安定していませんでした。
現代の査定においても、渡来銭は資料的価値を含めて評価されやすいのに対し、私鋳銭は真贋判定が難しく、価値がつきにくいケースも多く見られます。見た目が古くても、私鋳銭である場合は期待した評価にならないことがあるため注意が必要です。
鎌倉〜南北朝期に「日本で鋳造された貨幣が存在したのか」という点は、よくある疑問の一つです。結論としては、この時代に国家主導で安定的に発行された国産貨幣は確認されていません。朝廷や幕府が統一的な貨幣政策を行うのは、室町時代以降のことになります。
ただし、完全に日本製の貨幣がなかったわけではなく、前述の私鋳銭や、模倣的に鋳造された銭が一部存在していました。しかし、それらは流通範囲が限定的で、広く信用されていたとは言えません。この点が、鎌倉〜南北朝期の貨幣の評価を難しくしている理由の一つです。
そのため、現代において鎌倉〜南北朝貨幣の価値を判断する際は、「日本で作られたかどうか」よりも、「当時の流通実態の中で使われていたか」「保存状態や来歴が確認できるか」が重視されます。自己判断が難しい場合は、専門知識を持つ業者に確認することが、後悔しない選択につながります。
鎌倉〜南北朝貨幣の価値を左右する最も基本的な要素が「種類」です。同じ時代の貨幣であっても、どの王朝・どの時期に鋳造された銭なのかによって評価は大きく異なります。一般的に、当時大量に流通していた宋銭の中でも、特定の年代に限って鋳造されたものや、日本への流入量が少なかった種類は、資料的価値が高いとされます。
一方で、流通量が非常に多かった一般的な宋銭については、単体では高額になりにくいのが現実です。見た目が古くても、希少性が低ければ市場価格は抑えられます。そのため、「鎌倉時代の貨幣だから高い」という単純な判断は成り立ちません。
また、私鋳銭や模倣銭の場合、真贋や時代判定が難しいため、評価がつきにくいこともあります。種類の判別は専門的な知識を要するため、価値を正しく知りたい場合は、自己判断せず専門家の査定を受けることが重要です。
貨幣の価値を考えるうえで、保存状態は種類と並んで重要な判断基準です。鎌倉〜南北朝期の貨幣は、実際に流通して使われていたものが多く、摩耗や変形、腐食が見られるケースが少なくありません。そのため、文字がどの程度判読できるか、全体の形状が保たれているかが評価のポイントになります。
特に、銭文と呼ばれる表面の文字がはっきり残っているものは、資料的価値が高く評価されやすい傾向があります。反対に、文字がほとんど読めないほど摩耗している場合や、穴の周囲が大きく欠けている場合は、評価が下がることが一般的です。
ただし、状態が悪いからといって必ずしも価値がゼロになるわけではありません。希少な種類であれば、ある程度の摩耗があっても評価されることがあります。重要なのは、「状態だけ」「時代だけ」で判断せず、総合的に見ることです。
鎌倉〜南北朝期の貨幣には、単体で残っているものだけでなく、複数枚を紐で束ねた「銭紐」の状態で見つかるものもあります。実家や蔵の整理中に、まとめて出てくるケースは決して珍しくありません。この「まとめ」であるかどうかも、価値を考えるうえで重要な要素になります。
一般的に、単体の貨幣は一点ずつ評価されるため、流通量の多い種類では高額になりにくい傾向があります。一方、同時代・同種の貨幣が一定数まとまっている場合、当時の流通状況を示す資料として評価されることがあります。特に、古い紐がそのまま残っている場合は、歴史的価値が加味されることもあります。
ただし、異なる時代や種類の貨幣が混在している場合は、必ずしもプラス評価になるとは限りません。まとめて査定するか、分けて評価するかは専門家の判断が必要です。自己判断でばらしてしまうと、かえって価値を下げてしまう可能性もあるため注意が必要です。
鎌倉〜南北朝期の貨幣の中で、特に評価されやすいのは「希少性が高いもの」や「来歴が明確なもの」です。具体的には、以下のような特徴があります。
こうした貨幣は、単なる古銭以上の資料価値を持ちます。実家や蔵で見つけた場合、状態が良く、しかもまとまった数で残っている場合は、専門業者による査定で想定以上の評価がつくことがあります。
また、現代のコレクター市場では「歴史的背景が明確であること」自体が価値の一部となります。例えば、特定の寺社や荘園で使用されていたことが分かる貨幣は、希少性と歴史的意義の両面で高く評価されやすいのです。
一方で、鎌倉〜南北朝貨幣の中には、見た目は古くても市場価値がほとんどつかないものもあります。典型的な例は次の通りです。
これらは「古銭としての価値」はある程度認められても、現代の市場で高額評価されることは少ないのが実情です。特に、混同して保管されている銭紐や摩耗の激しい貨幣は、状態によって価値が大幅に変動するため、自己判断だけで「高く売れる」と期待するのは危険です。
古銭に対する誤解の多くは、「見た目が古い=価値が高い」と考えてしまうことにあります。しかし、鎌倉〜南北朝期の貨幣の場合、価値はあくまで以下の総合的要素で決まります。
つまり、見た目だけで価値を判断すると「市場ではほとんど評価されない貨幣」を高額と勘違いしてしまうリスクがあります。実家や蔵で古銭を発見した場合は、必ず専門家による査定を受けることが、後悔しない選択につながります。
鎌倉〜南北朝貨幣の価値を見極めるために、まずチェックしたいのが銭文(貨幣に刻まれた文字)です。宋銭や渡来銭には、漢字で貨幣名が鋳出されています。例えば「永楽通宝」や「元豊通宝」といった文字が確認できれば、時代や種類の目安になります。
ポイントは以下の通りです。
文字がはっきりしていれば、価値評価において有利です。逆に文字が摩耗して読めない場合は、単体での評価は下がる可能性があります。
鎌倉〜南北朝期の貨幣には、中国銭(渡来銭)と日本国内で鋳造された私鋳銭が混在します。見分ける際の簡単なヒントは以下です。
この見分け方は完全ではありませんが、初歩的な判断として役立ちます。実際の査定では、銭文の書体や鋳造痕など専門知識が求められるため、自己判断だけに頼らないことが重要です。
いくら基礎知識を押さえても、鎌倉〜南北朝貨幣の正確な価値判断は素人には難しいのが現実です。特に、希少な種類や状態の良い貨幣は、見た目だけでは価値が分からないことがあります。また、私鋳銭や模造銭との区別も専門知識なしでは判断がつきにくいものです。
注意点として、以下は避けましょう。
安全に価値を確認するためには、専門家による査定が最も確実です。実家や蔵で見つかった鎌倉〜南北朝貨幣も、まずは専門家に相談して「正しい価値」を知ることが、後悔しない整理につながります。
鎌倉〜南北朝貨幣を買取に出す前には、まず「手元で整理・確認できる情報」をまとめておくことが大切です。これにより、査定額の正確性が高まり、買い叩かれるリスクを減らせます。
主な確認ポイントは以下です。
特に、複数枚まとめて出てきた場合は銭紐のまま保持することが重要です。無理にばらすと、査定の際に評価が下がることがあります。また、洗浄や研磨なども避けた方が無難です。自然のままの状態が資料的価値として評価されるためです。
鎌倉〜南北朝貨幣は専門性が高いため、査定先選びも重要です。信頼できる業者を見極めるポイントは以下です。
専門知識のない業者や買取額だけを強調するところに持ち込むと、正しい価値を見落とされるリスクがあります。初めての場合は、無料査定で複数業者に相談するのが安心です。
実際に査定を受ける際には、次の点に気をつけるとトラブルを避けられます。
これらを意識することで、鎌倉〜南北朝貨幣の価値を最大限に反映した査定が受けられます。特に実家整理や遺品整理で発見した場合、「まず価値を知る」ことから始めると、安心して売却の判断ができます。
鎌倉〜南北朝期の貨幣は、単に古いというだけでは価値が決まるわけではなく、種類・状態・希少性・来歴の4つの要素を総合して判断されます。
また、自己判断だけで価値を決めるのは難しく、特に私鋳銭や模造銭との区別は専門知識が必要です。状態が良くても、希少性が低い場合は高額評価にならないこともあるため、専門家の査定を受けることが安心です。
これだけでも査定額の正確性が上がり、トラブルを避けることができます。実家や蔵で発見した鎌倉〜南北朝貨幣も、まずは「価値を知る」ことから始めましょう。
現代の古銭買取では、専門家による無料査定やまとめて査定サービスを活用するのが最も安全で効率的です。査定結果をもとに、売却するか保管するかを判断できます。
特に、実家整理や遺品整理でまとまった数量が出てきた場合、まとめて査定を利用すると、手間をかけずに正確な価値を把握できます。まずは無料で相談してみることをおすすめします。
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